ゲームレビュー的な記述が長くなってしまいましたが、今回のソロプレイでは6ターン終了時点で仮精算すると、日本軍の+7点でした。+18点までは連合軍勝利なので、まだまだ連合軍勝利の状況です。ラングーンが陥落した所までなので、これから日本軍主力は北部へ転進して得点は増えるでしょう。しかし、取れそうな目標を計算してみても+39点くらいで、爆撃任務の失敗などのマイナスも発生するので30点を越えるくらいかなと思います。日本軍が勝つには58点を取らなければならないので、おそらく引き分けでしょう。
このゲームの問題点として、この勝利条件があると思います。+18と+58の間の引き分けゾーンが広すぎ、基本的に引き分けにしかならないのではないかと思います。
ちなみに史実ではラングーン陥落が最終ターンであり、史実の結果は日本軍が辛うじて最終ターンに引分けに持ち込んだと言う水準です。
後は前述しましたが、最終的に陸戦作戦級で勝負を付ける割には陸戦システムはラフに過ぎる印象があります。デザイナーは空戦の重要性と、空戦の雰囲気を味わわせたいのでしょうから、その意図には沿っていると思いますが。
後は時間が掛かりすぎます。400分コースと言うのは、丸一日コースで、雑誌の付録ゲームとしては重量級です。このゲームはアメリカでもあまりプレイされていないようですが、無理はないと言えます。また、ショートシナリオがないのが痛いです。で、長時間掛けてプレイしても、引き分けにしかならない‥(^_^;
ただ、非常に興味深いシステムなので、同じシステムで「カートホイール作戦」が登場したのは頷けます。アニュアル版で規模の大きい(主としてユニット数が増え、海戦ルールが加わった)同作品ですが、実はショートシナリオがあるのでシェンノートより敷居は低いかも知れません。
また、欠点と言うものではないかも知れませんが、ラングーンレーダー撃破が焦点になる都合で空戦はラングーン中心です。ところが、これだと昆明を拠点とするAVG(フライングタイガース)の迎撃範囲外になり、RAFのハリケーンやバッファローが主役になってしまう恨みがあります。もちろん、このことが見えていれば、実は連合軍は積極的に配置転換を実施してAVGを昆明からビルマ国内へ早くに移動するのでしょう。ただ、これは「軍事作戦的にはあり」だと思うのですが、政治的に考えると蒋介石に対するアメリカの態度からして作戦司令官の一存ではできない気がします。
この辺は余談ですが。AVGが早期にラングーン航空戦に資するようになると、今回のプレイのように6ターンでラングーンは陥落しなくなるので、史実に近いスケジュールになりそうです。しかし、そうすると日本軍には勝機のないゲームなのではないかと言う気がします。
ちなみに本ゲームには、後の号に「プッカゲン」と言う追加ユニット&ルールがあるので、もしかするとそれでバランス調整されているのかも知れません。持っているので、機会を見て読んでみます。ちなみのちなみですが、プッカゲンはRAFのスラングで、吉報のことだそうです。