ディスタントプレインへ向けて:タリバン

ディスタントプレインは、現代アフガニスタンを舞台としているが、アフガニスタンは近年混迷を深めているので、まず理解を整理する所から始めないといけない。
アフガニスタン共産主義政権が立ち、それに対するイスラムのジハードとしてムジャヒディーンが戦った辺りがS&Tの「アフガニスタン:聖戦」で描かれている時期に当るのだと思う。もっともこのゲームも持っているが未プレイなので、明言できなくて申し訳ない。反ソビエトと言う思惑から、アメリカはムジャヒディーンよりだったと推察するが、ここら辺も不勉強ではっきりしない。
ムジャヒディーンはソビエトの全面撤退へと漕ぎ着け、一応はアフガニスタンの支配権を握った。しかし、共通の敵に団結していたものの思想的には幅が広かったムジャヒディーンは、やがて内戦で自壊状態に陥り、アフガニスタン軍閥による離合集散の混沌状態に陥る。
ムジャヒディーンは「戦士」を意味するそうだが、それに対してタリバンは「学生」を意味するのだそうだ。タリバンイスラムの神学校を出発点とした組織だそうで、混迷するアフガニスタンにおいて正義と治安を守るための新興勢力として期待され、急速に伸長したと言う。特徴的なこととして、イスラムの戒律に厳しいこと、パシュトゥーン人を主体にした民族主義の傾向が強いことがあるとされる。このため、タリバンが政権を掌握した後、少数民族虐殺の問題や、女性に対する教育禁止の問題が人権問題として挙がるようになった。
当所はアフガニスタンに安定政権が成立することを歓迎したアメリカもタリバンに好意的だった時期があったようだが、上記の人権問題から距離を置くようになったとされる。一方、同じパシュトゥーン人を主体とするパキスタンとは非常に近く、インドを仮想敵とするパキスタンが背後の同盟者としてタリバンアフガニスタンを強く支援し続けているとされる。
事態が急速に不穏化したのはタリバン政権とアルカイーダが接近してから。9.11でアルカイーダとアメリカが準戦争状態に入ると、アメリカはタリバン政権をテロリスト支援国家として敵対視するようになった。ここらへんの時期の作戦が、S&Tの「アナコンダ作戦」になる。
しかし、多国籍軍と北部連合の攻勢にも関わらず、タリバン勢力はパキスタンに近い南部でゲリラ化して活動を続け、一部の州では依然として実効支配を維持しているともされる。これが非常に大雑把なアフガニスタンの近年の経緯である。
こうした状況下で、「ディスタントプレイン」では、以下の4つの勢力が登場する。
多国籍軍アフガニスタン政府、タリバン、地方軍閥
各派閥の特色については、旅団長さんのブログに既にあるのでそちらを参照のこと。
http://blog.livedoor.jp/nightstork/archives/52624065.html