書いたつもりでいたのですが、漏れたのか上書きしてしまったのか。
「日本SF全集‥」でのピックアップ本です。
眉村卓のサラリーマンSFです。
主人公は関西の耐火煉瓦メーカー勤務。どうも眉村卓本人と思しき人物。その人物が、現実から少しずつずれた異世界に定期的にスリップアウトしていくと言う設定です。
別に謎解きがある訳ではなく、なにかと対決したり、なにかを解決したりはしません。その意味では学園ジュブナイルの傑作と比較して、爽快感はありません。全集に選んだ理由は、異色作であること、本人の自伝的要素があることの二点なのでしょう。
眉村卓の熱心なファンでなければ、敢えて探して読まなくても良いのではないかと言う出来栄えです。ただ、本人のサラリーマン時代の人物を知っておくと、彼のインサイダーSFを読む上では参考になるので眉村ファンは探しても良いかも。