☆ゼロハチゼロナナを読む

bqsfgame2015-02-19

辻村深月です。
直木賞候補作になり、ドラマ化が決まり、クランクイン当日に作者がドラマ化権をキャンセル、NHKが講談社に損害賠償訴訟を起こしたと言う曰くのある作品です。
端的に言えば、仲良しの母を刺して行方不明になった友人を探す女友達の話しです。
その過程で、女友達同士のいろいろな暗黙のルールが説明されて、女同士って面倒くさいのね‥としみじみ思わされます。そして、最後には母と娘の関係の問題に至ります。恩師も含めて心理描写されるのは女性ばかりです。出てくる男は、マネキン人形みたいですが、まぁ仕方がないでしょうか。
前作でも思いましたが、辻村作品の妙は、緻密で明瞭な女性の心理描写でしょう。そこをどう受け止めるかで評価は分かれるかも知れません。
出てくる女の子は、30前後ですが、みんな「女の子」と言う感じなのがポイントの一つです。
あと、山梨の田舎に残った子と、東京に出た主人公との「女の子」格差が鍵の一つになっています。ここらへんが、男性には通常は理解する機会のない部分で、そこが面白い‥(^o^)
表題の4桁の数字の意味は、実はありふれたものですが、それが表題になると言うことの重要性が本書の最大のトリックになっています。うーん、別に謎解きではないですか‥(^_^; あと「赤ちゃんポスト」が出てくるのですが、これは飾りではありません‥(^o^)