アレクサンドロスの遺産:GJ版への感想

旧版を10年前にプレイしたきりなので、かなり記憶が薄いのですが、いくつか思ったことを備忘のために書いておきます。
1:リーダーのいる地域でしか徴兵できない変更の影響が大きい。
良い点としては、リーダー不在地域で発生した兵力を回収するという作業めいたアクションをする必要がなくなり、これはスッキリしました。
2:その一方で、回収作業をする必要がなくなったので、1ターンに6ラウンドもアクションするニーズがなくなり、結局は最初の2、3アクションは全員がパスして流すだけになっており、冗長になっています。
3:リーダー数に対して手持ち地域数の余剰が多い勢力、具体的にはアンティゴヌスは従来より徴兵できる兵力が大幅に減りました。そのため、資金も余るようになりました。そして、他に適当な資金を使う術もないことから、終始、金庫に金が唸っているままプレイを終えることに。資金を得点に変換する術がないので、結果としてアンティゴヌスの優位性はオリジナルに加えて低下しています。
2と3については、現状ではバランスが悪いので、なにか修正が必要な気がします。新版ルールで、どのくらいテストプレイしたのか判りませんが、修正が解決した問題より、新たに発生させた問題の方が多いような気もします。
あと新版としてではなく、旧版にも共通するゲーム全体の問題として、
4:なんと言っても時間が掛かりすぎます。今回、1年間プレイするのに6時間ほど掛かったので、6年間のシナリオ2でも二泊三日コースという計算になってしまいます。キャンペーンは、ちょっと想像が付きません。
5:5人キャンペーンの時のリュシマコスセレウコスは、プレイが非常に難しいと思います。リュシマコスは、国力がない、結果として資金がない、アジアとヨーロッパの海峡に位置しているのに海軍がないという三重苦で、どうして良いのか判りません。今回は、プトレマイオスプレイヤーの第2勢力だったので、それほど顕在化しませんでしたが。セレウコスは、辺境にいて背後に敵がいないのでリュシマコスよりは良いでしょう。しかし、アンティゴヌスとプトレマイオスが手打ちになって、アンティゴヌスが最初に脱落させる目標としてセレウコスを選んで進撃してくると、非常に困るように思います。そこはマルチですから、アンティゴヌスの背後の敵がいなくなると困る人たちが同盟して救援するのが筋とは思いますが。