×浮世の画家を読む

bqsfgame2018-04-26

カズオイシグロその3です。
浮世の画家と言っても浮世絵を描く人の話しではありません。
大戦中に戦意高揚画を描いていて、戦後にそれが原因と思われる娘の縁談の破談を経験した画家が、次は失敗するまいと策動するお話しです。
日の名残り」では、対独融和政策に失敗した貴族に仕えた執事の話しを描きました。大戦で負けた側に与した人たちのお話しが続くのですが、読んでいて思うのは別に特に悪いことをした訳ではないのに、それを非難される理不尽さに納得がいかない感じが漂っています。
出来栄えとしては、「日の名残り」の方だけ読めばよいのかなと思ったので、思いきって×にしました。リーダビリティも悪くありませんし、そんなに悪くありません。ただ、後続作品に完成度で追いこされてしまったので、存在価値が薄くなったという整理です。