ラインへの道のルールを読む

 一通り読みました。

 四半世紀前に読んだきりなので、細かいことは忘れていました。そうか、こんなに色々と著名な諸作戦のガジェットがありましたか。ちょっと面倒くさくて、プラドスのゲームを思い出しました(褒めていません)。

 本作で一番特徴的なルールは、機動補給です。

 ゲームターンは、良くあるドイツ軍プレイヤーターンと、連合軍プレイヤーターンに分かれています。

 そして、各プレイヤーターンは複数のインパルスによって構成できます。ここがポイントです。第1インパルスは権利として与えられます。第2以降の各インパルスを設置するには、それぞれ1機動補給ポイント(MSP)を消費します。

 プレイヤーの各ユニットは、いずれかのインパルスに移動と戦闘を実施します。ですからダブルインパルスのように、各戦闘ユニットが1プレイヤーターンに2回機能したりはしません。

 ですが、インパルスを分けることによって、最初のインパルスで敵の戦線を破り、次のインパルスで突破すると言った波状攻撃ができます。

 これに対応するために、防御側は自分のプレイヤーターンに半分以下しか移動せず、かつ敵ZOCに入らなかったユニットを予備に指定できます。予備に指定したユニットは、敵プレイヤーターンの各インパルスの終了時に予備移動/予備戦闘フェイズがあって移動、さらに戦闘もできます。

 ただし、予備戦闘では既に当該プレイヤーターンに移動/戦闘した敵ユニットしか攻撃できません。敵の移動/攻撃に対応することが目的で、敵プレイヤーターン中に追加の移動/戦闘を攻勢的に実施できないようになっています。

 この他に移動力が10を越えているユニットを完全に機能させるためにも1MSPが必要です。これを支払わないと、移動力が半分になり攻撃資格を失います。これは多くのユニットが該当するので、かなりのMSPを消費します。

 また、輸送機以外の航空ユニットに任務をさせるにも1MSPが必要となっています。

 最後に大河を越す攻撃にも1MSPが必要です。

 そんな訳で、大規模な作戦行動にはMSPが大量に必要で、マーケットガーデンやバルジのような作戦には、まずMSPを蓄積して準備することが必要になっています。

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 そして、敵がMSPを蓄積している時には、縦深防御や予備の確保が必要になります。

 ここら辺、当時の作戦級ゲームの中では、大いに先進的なシステムを持っていました(かなり褒めています)。