山田さんの誘いで、ブライアン・トレインの最新作を対戦しました。
コンパスゲームズのクワドリゲームです。ボックスアートは、往年のSPIのボックスタイプのデザイナーズ・サイネーチャー版のオマージュです。
システムは、ブライアンのオランダシュピールから出した「ザ・リトルウォー(スロヴァキアとハンガリーの国境紛争)」の発展形だそうです。
あちらこちらで「カードドリヴン」と書かれていますが、所謂カードドリブン(ハンニバルやパスグロ)のシステムとは全く別のものです。
判りにくいので少し紙幅をとって説明します。
メインデックは、背が両プレイヤーの色に色分けされた移動/戦闘カードで構成されます。一つのカードは、所謂ダブルユースになっていて、片側が移動値、片側が戦闘値になっています。
移動値としてプレイすると、移動値のユニットを隣接エリアに移動できます。
敵の非混乱ユニットがいるエリアからは原則として離脱できません。エリアを支配するには、自分の側だけが非混乱ユニットを持っている状態の時だけ支配でき、ゲーム終了時にその状態にして置かねばなりません。最後に支配していても、空けてしまうとカウントされません。
戦闘値としてプレイすると、戦闘値のユニットで攻撃を実施できます。戦闘値のユニット数で攻撃する限りにおいて、何エリアででも攻撃できます。
戦闘は、同一エリア戦闘です。カードをプレイする側が攻撃するユニットをカード制限に従って指定します。同一エリアにいる敵ユニットの中から任意のものを対象に指定します。攻撃側が防御ユニットをシングルアウトできるシステムは余り見かけませんが、この点においては攻撃側有利です。しかし、防御側は地形効果を利用でき、これが全ての地形が累積します。また、損害を受けた時に、防御側は撤退で吸収できますが、攻撃側はできずに必ず混乱するので、総合的に見て妥当な感じになっています。
移動値、戦闘値とも分布があって、1から8まで、大体、正規分布に近い感じです。攻撃できるユニット数の制限があるので、前述のように防御側をシングルアウトできる仕組みがないと、有効な攻撃が極端にしにくくなるので、そうなっているのでしょう。
このカードはプレイヤーごとのセットに色分けされており、各自20枚あります。これにそれぞれ1枚のランダムイベントカードが加わって21枚ずつの合計42枚。これを全部まとめて1デックにして、毎ターンランダムに6枚を引きます。両者のカードを混ぜて引きますから、3枚ずつになることが多くはありますが、4対2、5対1、極端なケースとしては6対0ということもあります。
カードフェイズにカードを配った後、カードを多くもらったプレイヤーから交互に1枚ずつを使用して移動、戦闘を実施します。ランダムイベントは、最初にマストプレイです。
両者が連続してパスすると、ターンエンド処理に移ります。
毎ターンの先手が、そのターンのカードを配られないと判りません。
手止まりの価値は、特に最終ターンでは大きいです。手止まりを奪回するためにソフトパスはできますが、状況によっては相手もパスして終わってしまうこともあるので判断は非常に難しいです。
1ターンごとのカード枚数は大きくブレますが、全体として自分のカードの枚数は決まっています。ですので、良い時があれば悪い時もあります。なので、平均化されます‥と言いたい所ですが、全然、実感としてはそうなりません。
明日に続きます。