アドテクノス:SDFシリーズ感想2

SDFシリーズの基本エンジンは、SPI晩年のセントラルフロントシリーズをベースにしています。
しかし、異なっている所もあるので整理しておきましょう。今となっては、両者を実際にプレイして比較する原稿を書いてくれる人は、あまりいないと思いますので。

セントラルフロン
無制限ターン方式です。両軍は交互にプレイヤーターンを実施します。両者が連続してパスするまで、1ターンに何プレイヤーターンでも実行されます。
ユニットの損害(など)は、FPで表現されます。1プレイヤーターン活動すると1FP増加します。オリジナルでは全てのユニットは5FPまで許容されていました。これは4FPまでの数字マーカーとユニットを裏返す(1FP分、このゲームターンになんらかの活動を実施したという表示になっている)ことで表現されます。戦闘結果による損害もFPで現されます。第3作のBAORでは、ユニットの規模により許容FPが異なるようになり、中隊は3FPまでとなりました。これでNATOの小規模部隊が、道路上で異常に長く粘ることがなくなりました。

SDF
1ターンは、ソビエトターンと、自衛隊ターン1回ずつで構成されています。
しかし、1プレイヤーターンに、各スタックは4機動力までを使用できます。1機動力で7ポイント分の移動か、1回の攻撃が実施できます。何機動力使ったかに関係なく、機動したターンには全体で1作戦余力を消費します。ユニットは、原則として4作戦余力まで消費できます。

両者の差異
決定的な差は、SDFでは4機動力まで消費しても1作戦余力しか消費しません。セントラルフロントでは、プレイヤーターンごとに移動できますが、都度1FPを被ります。ですので、SDFの方が圧倒的にソビエト軍の行動消耗が低いのです。
結果として、セントラルフロントよりずっと運動性が高いゲームになっています。
北海道は非常に広いのですが、上述のシステムにより、広さそのものはソビエトにとって苦になりません。
したがって、SDF側はユニットを配置して抵抗しなければ、ソビエトに作戦余力負荷を与えることができません。