ソロプレイの感想

ゲームは全体で9ターンありますが、時間の都合で2ターンだけプレイしました。
上述のコンポーネントの難点で、セットアップや、第1ターンの戦闘解決に時間を食ってしまったのが予定外でした。小さなゲームですが、終りまでプレイすると5−6時間掛かりそうな印象を受けました。小さいながらも、割とヘビー級です。
第2ターンまでだと、ドイツ軍の初動攻勢のモーメンタムが尽きるまでに相当しそうです。その範囲では、予想以上にドイツの戦果が上がるので驚きました。もっと最初から難渋してどうにも展開できなかった作戦ではないかと思っていたのです。
2ターンの間にソビエト軍ユニットが14個も吹き飛びました。最前線の塹壕に配備してあった分は粗方が吹き飛んだことになります。メイアタックなので敵の弱いヘクスを狙って集中攻撃し、そこから浸透して強力なヘクスは補給切れにして後置してしまうという作戦が通用します。正にPGGで、1945年のはずなのですが、まるでバルバロッサ作戦のようです。
もっともバルバロッサとは違ってソビエト軍には十分な予備があって第2ターン後半のソビエト軍ターンから盤内に投入されてきます。結果として、バラトン湖周辺は突破されても、ドナウ川までは渡れないようになっている感じです。
また、勝利得点が都市×支配期間なので、ドイツは突出した装甲部隊だけで前進限界ぎりぎりの都市を占拠するかどうかが悩ましい所です。突出すればソビエトの軍団規模ユニットによる強力なカウンター攻撃を食うリスクがあります。しかし、ドイツユニットは種別によらず減点が同じなので、装甲部隊を特別に惜しむ理由がなく、勝利得点的なペイアウトが取れれば行くのが良いかも知れません。ここらへんはゲーム終了までの全局で形勢判断しないと、どういう作戦が正しいのか判りません。
いずれにせよ、ドイツの攻撃に予想以上の華があり、ソビエトの反撃まで含めた全体での収支勘定で戦略を考えるゲームになっていて、これは予想外の掘出物かも知れません。
ブダペスト救出作戦のように目標が明確に可視化されていないので、勝利相場の判断が難しく、また盛り上り方も若干劣る気もしますが、ドイツ装甲軍団最後の攻勢としての華やかさはバルジ作戦よりあるように思いました。
なかなか良いゲームで、春の目覚め作戦にフォーカスしたゲームは他には見ないので、復刻される価値はあるように思います。ルールブックとユニットデザインは、全面的にやり直して欲しい所ですが。いずれかの日本のウォーゲーム雑誌で実現できないでしょうか? 東部戦線なので、六角さん辺りとか?