「1号線で行こう」のルール翻訳者としては、路面電車が主役の本は見逃せません。
これも一種の連作短編集なのですが、書き下ろしで、各章の登場人物に繋がりがあったりして長編と言って良いでしょう。
大坂ほんま本大賞と言う知らない賞の受賞作だそうです。
戦中戦後から高度経済成長、バブル、失われた20年と、大坂の街を走る路面電車の視点で街と人の移り変わりを味わい深く描いています。
集中最長の「宴の終りは幽霊列車」はキャバクラの女の子たちが地上げ屋をやっつける痛快譚です。
街の重要人物やエリートが主役にならない所も含めて大阪らしい感じです。
登場人物の共通性が少し判りにくいですが、独立したウィキページがあるので参照して読めば判りやすいでしょう。
大坂ほんま本大賞のウィキがないのですが、こちらに受賞作リストがあります。