ようやく戻ってきました。
後半は、「トランパー・キリノ」、「星と海とサバンナ」の2編です。
キリノは、小惑星帯セレスでサルベージ業をやっているトランパーです。
外惑星動乱直後はサルベージ対象もたくさんありましたが、最近ではペイアウトするような物件はほとんどありません。
そんな中で同業者のオロイがなにか筋の良さそうな物件を見つけてきたらしいことを知ります。もう自分の船を手放す所まで追い込まれたキリノは、仁義破りでオロイの見つけてきた物件の横取りに手を出してしまいます。
対象はなんと、無人砲艦ヴァルキリーと交戦して漂流しているという船です。ヴァルキリーは謎に包まれた存在で、それとの交戦記録だけでも今となっては貴重です。と言うことでサルベージに行くのですが、なんとその船にはオルカキラーと書いてあります。
そうか、オルカキラー対ヴァルキリーだったのですね、「砲戦距離12,000」は。
冥王星軌道付近までの遠距離サルベージとなるのですが、残念ながら上手くいきませんでした。
その顛末は二本目でオロイがサルベージに行くと、キリノの死体が漂流していることで判明します。
一方、オルカキラー内のラザルスシステムは意外にも残存思念のような状態で半覚醒しており、オロイはこれに精神を乗っ取られてしまいます。
というような話しで、一連の星の墓標のエピソードの悲しい顛末を描きあげて本作は終了します。