密告を見る

WOWOWです。

フランスのヒッチコックこと、アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督特集の1本目です。

原題の「Le Corbeau」は、謎の密告書を送り付けてくる謎の人物の署名です。カラスのことだそうです。

主人公のジェルマン博士は、心理学科の主任医師ヴォルゼ博士の若く美しい妻ローラと密通しています。しかし、そのことを知っているというカラスからの密告状がジェルマンとローラのそれぞれに届き、二人は警戒を強めながらも関係を止めません。ジェルマン博士の担当患者がカラスの密告状により自分が肝臓がんで余命が短いことを知らされて自殺してしまいます。患者の担当看護師が最初に疑われますが、彼女が拘置されている間に新たなカラスの密告状が届いて疑いは晴れます。

ローラの姉のドニーゼ(デニス)もジェルマンに言い寄り、次は彼女が疑わしいのではないかと言う流れで進んでいきますが、ジェルマンに詰問されても彼女は断固として否定します。そして、ローラが危ないと告げ、ジェルマンは慌ててローラの下へ。そこでローラの手指がインクで汚れているのを見て、今度はローラがカラスかと疑います。

すると、ローラの夫のヴォルゼ博士は、自分が彼女を満足させられないためローラがジェルマンに手紙を書いたのだと言い出します。そして、彼は精神科医としてローラを精神病院に禁固する診断書を執筆し、その後に命を絶ってしまいます。

ジェルマンは、そうかカラスはヴォルゼだったのかと理解しますが、窓の外を見ると亡くなった彼の患者の母親が立ち去っていく姿が見えました。

真犯人はヴォルゼ? 患者の母親? やっぱりローラ?

そこらへん割り切れないもやもやを残して終劇となります。

 

心理劇として非常に面白く見られました。

特集は残り4本あるので、どれか選んでもう一本見ようかと思います。

ローラ役のミシュリーヌ・フランセーが綺麗です。