オードリーを見る

 放送終了から1か月半遅れてようやく最終回まで辿り着きました。
 意外にというと失礼なのですが面白かったです。特に大京映画大部屋俳優群像劇としての面白さが際立ちました。
 美月が入ってきた時に苛めの指揮を執っていたもみじが美月が椿屋をやるようになった時に即戦力仲居として雇われるのはビックリでした。

 同じく美月のすぐ上の先輩の樹里が、テレビ女優として成功し凱旋して英樹に言い寄ったのもビックリ。樹里を演じる井元由香って、確かに小悪魔的な可愛らしさがありますね。

 もみじと同じく即戦力仲居として雇われた曜子が梓と付き合うのも驚きました。調べると演者の岡田薫って、恋からの三期生で綺麗だと評判だったのですね。ローラちゃんの4期生からしかフォローしていなかったので知りませんでした。
 主要キャラでは、本作でブレイクした佐々木蔵之介は、いろいろな側面を演じてさすがの実力でした。それに比べると堺雅人は二枚目ではあるけれど、ちょっと単調な感じがしました。
 朝ドラ常連の國村隼大京映画社長にあまりに嵌っていて言うことありません。その腰巾着のような石井正則が二代目社長になって傾いた会社を必死に切り盛りし、ついには愛子にプロポーズしたのも印象に残りました。
 幼馴染で最後まで一途な報われぬ恋を貫く仁科貴も存在感ありました。なんにも報われず役者としても大成せずで気の毒。
 大京映画の行方を占う雀蓮を演じた三林京子も存在感ありまくり、青葉城寅之助がその隠し子だという設定にはこれまた吃驚しました。そして、大京倒産時に香港に渡った寅之助がタイガー・ウォンとして大成功して日本に帰ってきてからの活躍もすごい。

 それ以外の小さい役では古参仲居で出入りの笹森と結婚する泰子ちゃんもちょっと綺麗。おかあちゃまに勧められて嫁ぎましたが酒乱だったので逃げ帰ってくるエピソードも。最終的には、その笹森に椿屋は買い取られてしまうのですから本作の伏線の錯綜と回収の見事さは語りつくせません。
 大石静脚本のドラマにはほかにも良いものがたくさんありますが、複雑巨大な構造物という点では本作が圧倒的だと思いました。