懸案の東方帝国を対戦してきました。
すでに対戦消化してゲームを処分したと言うDRAGOONさんがお相手。ナポレオニックは相手が限定されているのです。
先に連合軍側のセットアップをして座っていたら、「相当に酷い目に遭いますけど、いいですか」と確認され、市販されているゲームなんだから酷いといっても限度があるだろうと思いそのまま連合軍で対戦。
結論から言うと、市販できる水準に届いていないほど酷かったです。今年はWilandorさんとATOを3つもプレイして、「一度テストプレイすればわかるじゃないかレベルの酷さ」には耐性があると思っていたのですが、ATOより酷いです。
本作は、栄光の限界システム第1作です。
栄光システムは、両軍の指揮官に栄光ポイントが設定されていて、これを使って自分のダイスを振り直せるというものです。そこまではまぁ良いのですが、さらに相手のダイスも目を指定して振り直させられるというのが凶悪。なので、ナポレオンは敵のラッキーパンチを受けることも決してありません。
戦闘システムでは、互いに4ダイスを振り合い、CRTで自軍の戦力タイプと参加戦力を交差参照したマスに示されている基準値を超えることで命中が有効になります。この状態で5、6の出目だけが相手にヒットを与えます。
そこそこの規模のフランス軍とオスマン軍が激突すると、フランスの基準値は8か9。4ダイスでは自然にクリアできる数値です。オスマン軍は13とか14になっていて、クリアできるかどうか半々くらいです。ただし、クリアしたと思った後に、ナポレオンが、「その5と6は振り直してください」とか言ってくるのですから堪りません。
5,6を振り直すと、合計値が下がってクリアできなくなる問題と、クリアは維持できても実際のヒットを与える出目である5,6がなくなってしまう問題のダブルインパクトがあって、どちらかが達成されるとナポレオンは無傷なのです。
4時間ほどプレイして、何ターン、何戦闘したかは記憶にありませんが、結局、1ヒットも与えられずに協議終了にしました。連合軍には何の希望もありません。
まぁ、エジプトでマムルークで抵抗している内はそんなものかと思いますが、シリアに入ってオスマン帝国軍で戦っても全然ダメです。
イギリス軍が来ると少し良くなりますよと言われたのですが、イギリス軍でさえ対抗できません。イギリス軍の増援は海上移動して逐次投入されてきます。
CRTのもう一つの問題として、フランス軍のヒット数が5で7ヒット、6は8ヒットなどと凶悪で、振り直しもするので平気で20ヒットくらい出るのに対して、オスマン帝国軍では5も6も1ヒットとかなので、まるで勝負になりません。
イギリス軍はさすがに3,4ヒット当たるのですが、なにせフランス軍のパンチ力が過剰なので逐次投入のイギリス軍は都度吹き飛ばされてアフリカマップ上に戦力が残らず、兵力が蓄積されません。
BGGで一部に熱狂的な支持者がいるようなのですが、そういう人たちは何をどうプレイしているのだろうかと二人で首を傾げましたが、どうもルールの読み間違いではなさそうなので、終りにして口直しに移ることにしました。
諸悪の根源は栄光ポイントシステムなので、これをなくしてしまえば競技成立するかもと思うのですが、それだとナポレオンの強さが表現されないのでしょうかね。
中間的な腹案として、栄光ポイントは使うが自分のダイスは振り直せるが、相手のダイスを振り直させることはできなくすれば、マムルークとオスマンでも4時間の間に3回くらいはヒットが入っていたと思うので、最低限のゲームにはならないかと思います。
原型では、宮本武蔵の吉岡道場みたいで、1対70以上でもナポレオンは負けません。
実際、今回、フランス軍の守備隊1戦力に13戦力で攻撃しましたが返り討ちに遭って2戦力しか逃げ帰れなかったことがありました。
珍しいトピックなので期待していたのですが、深い深い失望に襲われる結果となりました。このまま千葉会オークション処分でもいいかと思いますが、その前に上記腹案だけは試してみようかと思います。相手は見つからないでしょうから、ソロプレイですね。