南北戦争ゲームに何を求めるか?

南北戦争ゲームの面白さはいくつかあると思うが、以下のような要素を挙げてみたい。
①軍事的な要素と政治的な要素と経済的な要素
②指揮官たちの個性とその人事の問題
③近代戦と比べて限定された情報の中での果断な決断の重要性
 ①と②については、南北戦争の全局を描くゲーム、たとえばVGの「ザシビルウォー」や、GMTの「フォーザピープル2版」などで全容が描かれよう。個人的には南北戦争の醍醐味を一番感じるのはこのスケール。
 それより大きなスケールになってくると、人事の問題と相俟って③の要素がクローズアップされてくる。ゲーマーズのCWBが面白いのはこの要素が出てくるからだろう。プレイヤーが思ったことを実現するのに命令書のインプリメンテーションが必要で、その戦いで実際に決断をできなかった指揮官(指揮官について一般的な値を付けずに戦場ごとに実績で付いている)だと中々命令が通っていかない。
 GBACWは名高いが、縮尺が大きくヘクス面積が1/3でユニット数もその分だけ大きく、戦術テクニカルに労力を取られて作戦の全容が見えにくいのが難点。逆に言えば、GBACWのそうした難点を見てニッチにゲーマーズが攻め込んできたとも言える。
 とは言えCWBも会戦自体は設定された枠の中で始まるので、そもそも戦略的な動きの中でどのタイミングでどの場所で会戦を求めるかと言う大きな決断を持っているGCACWはもっと大きな意思決定を含んでいる。実際に会戦級のゲームをプレイすると、「なんでこんな状態で戦ってしまったのか?」という会戦が始まった時点で優劣が付いているケースも少なくないため、やはりGCACWのスケールのゲームが見たいという気がしてくる。
 個人的な結論から言えば、南北戦争の全体を俯瞰できるスケールのゲームをプレイし、その中での重要なキャンペーンについてGCACWをプレイし、シチュエーションの面白い会戦についてはCWBをプレイすればほぼ足りているのかなという気がする。