野中郁次郎先生の講演を昨年は聞く機会があったのだが、正直に言うと少しばかり禅問答のようでわかりにくいと思った。
しかし、この本を読むと具体的な事例でのメカニズムの解き明かしがあって非常にわかりやすく面白い。先にこれを読んでいたら講演の印象もまた変わっていただろう。企業の開発に携わるミドルなら是非とも読んで欲しい一冊。すべての事例を同じトーンで読む必要はなく、自身が困っている問題に照らしてヒントとして読めば良いだろう。個人的には一番面白かったのは「黒川温泉」。奥さんは「具多」も良かったと言う意見。
とまれ「場をいかに形成し機能させるか」、「暗黙知をいかに形式知に置き換えスパイラル状に深化させるか」など考えさせられる一冊だった。
