☆宇宙舟歌を読む

bqsfgame2009-04-05

面白い!
先日の「地球礁」も面白かったが、本書はそれ以上に面白い。
ラファティは長編がダメなどということは全くなかった。デビュー三部作の内の二つを続けて読んだわけだが、いずれも傑作だった。ハードカバーで買っても全然惜しくない。ラファティファンなのに、長編は避けて通っている人は、この二冊は是非とも試してもらいたいものだ。
作品内容は宇宙版オデュッセイア。家路に着いた宇宙飛行士たちは、次々と抱腹絶倒世界に立ち寄ってとんでもない目に逢い続ける‥(^_^; ラファティのトールテラーぶりが遺憾なく発揮された傑作長編だ。
あまりに面白がったので、思わず勢いでホメロスオデュッセイア原典も読もうかと思うほどだが、そこはSFの未読本があまりに貯まっているので冷静に‥(^_^;
「地球礁」もそうだが、若干、バイオレンスな描写が強いので、そこらへんが苦手な人はいるかと思う。底抜けに明るいので陰湿さは微塵もないのだが、それにしても主人公たちが食べられてしまったりするのには少々度肝を抜かれるだろう。しかし、ラファティの抱腹絶倒の船旅はそんなことにはめげずに続いていってしまうのだ。
国書刊行会未来の文学を読むのも、ゴーレム100、ベータ2のバラードに続いて三冊目になったが、本書が圧倒的に良かったと思う。次はディッシュかプリーストか?
一説によると未来の文学の第三期には、さらにラファティの第四長編、四つ目の部屋が予定されているという。頑張れ、未来の文学