☆無限軌道を読む

bqsfgame2015-05-23

「タウゼロ」が良かったので探して購入したアンダースン作品。ハヤカワの銀背です。
世評に違わぬ傑作だった。
宇宙植民テーマの連作中編。
ただ、バラ色宇宙開発に水を掛けるような設定で、人口増加圧力に悩む地球政府から追い出された理想主義の植民者たちという話しになっている。思えばメイフラワー号で新大陸に渡った人たちもそうだった‥という。
全4編だが、最初は地球を追い出されるエピソード。二番目はなんと航行中に冷凍睡眠から起きたら、地球で体制交代が起こったので帰って来いと言う電文が届いたというエピソード。いや、これは凄いなぁ‥(^_^;
三番目は着陸に当って貴重な資材を断念するかどうかという瀬戸際の凌ぎあい。
最期は、新植民地で、遺伝子プールを確保するために用意した精子卵子から人工授精した子供の第一号がいじめにあって遭難しかかるのを救助する話し。
宇宙開拓年代記になっているが、通常の開拓期と違って、非常に苦い選択と結末が続く作品群になっている。
アンダースンは時々、ものすごい作家だったのではと思わせてくれるが、本書もその一つだ。
これが文庫化されなかったのは非常に惜しいと思う。
今となっては宇宙航行の記述がアウトオブデイトなのは止むを得ない。年代記としては分量不足なのは、非常にもったいない。これが、最終的に「百万年の船」に結実したのでしょうか?