○焦熱期を読む

bqsfgame2019-01-16

ポール・アンダースンです。
1974年の作品で、この時期はアンダースンは毎年のようにヒューゴー長編候補になりながら、とうとう受賞できませんでした。これも候補作の一つ。
極端な偏心軌道を持つ三重星系の惑星を舞台にした異世界構築作品。
地図がちゃんと付いているのは親切。と言うより、ないとなんだか訳が判らなかったことでしょう。
この異世界ケンタウロスのような原住民が住んでいて、地球植民者と一部共存しています。
しかし、偏心軌道ゆえに千年に一度、極度の酷暑に見舞われて文明が衰退する運命にあります。それと戦うべく人類と共存する部族は地球人と協力しようとします。そこに、地球人と無関係の部族が攻撃を仕掛けてきて、地球人植民者は反撃を考えますが、その時期に別の星間戦争が起こってしまい宇宙軍は協力を拒否します。
後は割とステレオタイプな展開になり、最後はアンダースンの説教くさい所が出ていて、割と好みが分かれそうな出来栄えです。
異世界構築は大変な力技ですが、用語集とか、人物リストとかまで付けてくれないと、詰め込み過ぎていて読みにくい感じです。これだけ世界を作ったなら、今なら三部作くらいにするのが普通な感じでしょう。
そんなこんなで○にしました。☆は付けられない感じです。