☆三体を読む

今年、もっとも旬なSF書籍かも知れません。

図書館です。

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ヒューゴー賞長編部門をアジア人が初めて受賞。すごいですね。

三部作の頭なので、この後がどうなるかは、期待と不安が拮抗する所ではあります。旬な内に続刊となって欲しいのですが、個人的にはハヤカワさんに対する信頼度が下がっているので、期待しないで待ちましょう。

内容的には、ファーストコンタクトもので、なるほど幼年期の終りなどの正当な後継者です。しかし、冒頭は文革から始まり、中国で文革と言うのがいかに大きな傷を残したのか改めて思い知らされます。この話しは読みかけの別の本の時にも書きますから深入りしません。

三体と言うのは、最初に登場してくるのは知識人たちの間でカルト的な人気を持つVRソフトウェアです。その内容は、不定期に恒紀と乱紀が訪れ、乱紀で文明が崩壊してしまう異世界において、文明を発達させ世界の謎を解き明かすというものです。

少しだけネタバレすると、この世界は三つの太陽を持つ世界で、その周囲をカオス軌道で回っており、そのために上述の問題があります。世界の恒紀の期間を予測するためには、この三体運動を解析的に解き明かす必要があり、それが「三体」の語源です。

で、この世界はソフトウェア上の架空世界ではあるのですが、実在する異星世界をベースにしており、この異星世界と地球とのファーストコンタクトが本題になります。

本書の範囲では、このファーストコンタクトのプロジェクト、それが導いた重大な危機、その危機に対する地球の思想分裂辺りまでが描かれます。

通信ではないフィジカルファーストコンタクトは、まだこれからです。