☆アーリア人を読む

bqsfgame2012-10-01

講談社メチエを読むのは初めてかも知れません。有斐閣アルマは読んだことがあるのですが。
アーリア人と言うタイトルですが、イスラム化される以前のアーリア系民族の古代興亡史を一冊で鳥瞰すると言う凄い本です。
もともとはインペラトルのルールを読んでいたら東方にパルティアが出てくるので、パルティアの資料を探していて遭遇しました。
著者の青木先生は、本来のご専門はゾロアスター教。なるほどイスラム化された後の話しは別の話しになる訳です。
スキタイ人、パルティア人から始まってペルシア人、ソグド人、ホラズム人、ホータン人、そして現代に繋がるパシュトゥーン人まで辿り着きます。これで全部ではなく、まだ一杯出てきます。この全体像を鳥瞰できる本は、なるほど書くのは容易でなく、前例はないでしょう。
また、遊牧民族を主軸に、定住民族を横糸に持ってきたのは、本来、遊牧民族であったアーリア人の全体像を描くには適切な選択のように思います。そこから解き明かしているので、なぜインドヨーロッパ語族が世界に広く分布しているのか納得が行きます。
古代戦ゲーマー必読の一冊だと思います。