アップフロント:市街戦をソロプレイ

bqsfgame2005-06-02

シナリオBは市街戦。アップフロントでは、「パトロールしかやっていない」、「他もかじったが結局はパトロールしかやらなくなった」という人が少なくとも当時の日本では多数派だったと記憶している。
なぜそうなるのかの分析の意味でAとBを比較すると、
●パトロールシナリオ
距離4まで4人を前進させて防御効果のある地形を占めるとサドンデス勝利
取り除くのは5枚の建物カード
●市街戦シナリオ
3デック完了時点で勝利ポイントの多い方が勝利、前進得点は建物地形のみで得られる
爆薬が両軍に用意されている
取り除くのは4枚の森林カード
という程度の違いしかない。しかし、ここで重要なのはパトロールシナリオでは、前進してサドンデスで決着することが多いということ。このために少数精鋭の移動グループを優先的に思い切って前進させるプレイが多くなる。
対して市街戦では、前進してもサドンデスにはならないし、建物以外の地形では点にならない。また、距離4で4人という条件がないので、人数が大きい射撃グループを距離1ずつでも前進させると大きな点になる。従って、大きなグループを慎重に建物から建物へと前進させるプレイになる。そしてサドンデスがないため、得点計算して負けている方が前進し、これで逆転すると相手がまた前進するというようになり、パトロールシナリオと異なって規模の大きい射撃グループも終盤では建物伝いにかなり前進することがある。この結果、大火力を使って建物間で射ち合うという正に市街戦になるようになっている。同じカードデックを使って、わずかな設定条件の変更しかしていないのに、ちゃんとシナリオ設定の通りに「パトロール」や「市街戦」の雰囲気が得られるのは素晴らしいデザインだと思う。また、結果として相対距離が近接状態になり、爆薬の投擲攻撃や、白兵戦が発生しやすいのもパトロールシナリオとの違いで、そのため白兵戦に至る手順は良く覚えて置く必要がある。
今日のソロプレイでは、ドイツ軍が3デック目でソビエト軍分隊崩壊させて勝利した。上述した通りに市街戦らしい雰囲気が伝わる展開となって大いに満足した。