○ファウンデーションの誕生を読む

bqsfgame2005-07-04

先日の「ファウンデーションへの序曲」に続いて読破。これでオリジナル三部作へと接続。
トランターの衰退が進む中、ハリ・セルダンファウンデーションの設立に腐心する地味な物語。もちろんいくつものドラマはあるのだが、オリジナルの「ファウンデーション」のようなダイナミズムを感じさせる訳ではなく、トランターの上でのしかもプロジェクトの遂行に関わる陰謀なのでスケール感がない。
とは言えそれでもエンディングで、かつて愛読したオリジナル三部作に繋がると、一抹の感動があるのも事実だ。
このシリーズは、年代順に再構成せずに執筆順にナンバリングしているのだが、これは正解だと思う。この「ファウンデーションの誕生」は、オリジナル三部作のネタバレになっている。シリーズを執筆順に読んでくるとナルホドと思うが、初めて読む人が年代順に読むと興覚めだろう。
先日のファファード&グレイマウザーでも似たような話しをしたが、作品の読み方としては執筆順というのが製作側の意図との整合性という意味では正解なのかも知れない。シリーズ愛読者はどうしても系譜や年代表を作りたくなるのだが、それはシリーズ愛読者の楽しみ方であって、シリーズに新たに入ってくる人には年代順再構成本というのは実は意外と不親切なのかも知れない。そう言えばエルリックもそうかも知れない。