マイケル・ムアコックの「エルリックサーガ」のボードゲーム。AHから出ていたものをHJが1986年に日本語版で発売した。
原作はムアコックのいわゆるエターナルチャンピオン群像の最初のシリーズ。異色のヒロイックファンタジーとして非常に名高い。実際には断続的に書かれた短編長編の集合体だが、後年、時代順に再編された。その後、さらに追加のエピソードが未だに書かれており完全に整理完結されてはいない模様。
念のため復習すると、龍の血を引くメルニボネ人たちの帝国は衰退しており種としても滅びつつある。その末裔がエルリックで、病弱なアルビノであり、従兄弟のサイモリルに恋しておりその兄のイイルクーンと確執がある。時代は新興勢力の人間の新王国へと流れつつあり、エルリックはイイルクーンとの確執から王座を失い、王座とサイモリルを取り戻すために人間たちを手引きして自分の都へと引き入れる。彼が力を得るために用いた魔剣ストームブリンガーは、その代償として彼の大事な者たちの命を奪っていく。シリーズは他のエターナルチャンピオンとも交錯し、クライマックスの「ストームブリンガー」では法と混沌の世界のバランスが崩れ、この世の滅びを迎えていく。