ショートゲームレビュー:ハンマーズスランマーズ

bqsfgame2007-04-05

1984年のメイフェアゲームズのハーフ厚みのブックケースゲーム。
エースブックから出版されたデビッド・ドレイクの「ハンマーズ・スランマーズ」のシミュレーションSFゲームだと言うが、原作の方を知らないのでなんとも言えない。
ゲーム内容的には、SF版パンツァーブリッツと要約される。在来型戦車、砲兵器、歩兵に加え主役であるホバー戦車が登場する。
ゲームシステム的には、移動>両者同時射撃>同一ヘクス内白兵戦を交互に繰り返す単純なシステム。在来型戦車や歩兵の射程が2ヘクス、ホバー戦車の射程が4ヘクスとパラメーターはおとなしめ。
移動後の射撃が同時解決で、機会射撃のルールがない。結果として、戦術級ゲームとしてはかなり接敵して攻撃していく側に有利なタイプだと思う。このため、割とアグレッシブな展開になり、ゲーム的には面白い。射程がおとなしめなのでプレイもしやすく、世評がそれほど高くないので期待していなかった割には良かった。
ただ、少々気になる点もあり、1ターン中は何回ディスラプトされても追加影響はないが、次のターンにまたディスラプトされるとエリミネートというルールは、いつディスラプトされたか記憶しておくしかないマーカー管理とセットではいただけない。また、ターンを跨いでディスラプトを2回受けるとエリミネートというルールに対して、プレイヤーターンの先攻後攻による非対称性があるのも少し気になった。
ルールの全体の記述が、SPIなどに比べるときっちりしていないのは、後発のゲームとしては誉めにくいところだろう。
小説題材のゲームと言うこともあってか、シナリオのシチュエーションは、かなり大胆に毛色の違うものが揃っていてこれは良い点だと思う。
長所短所取り混ぜて当たり障りなくまとまってプレイしやすい。ただ、ライバルの多いパンツァーブリッツもどきのSFゲームの中でコレだ!と感じさせる個性がないのが残念。