エルフェンランドをプレイしたときに、デザイナーはきっと「プレイヤーたちが各所に散っていき、各所に様々な移動手段が設定され、手札の中でベストな経路をみながそれぞれに探すようになるといいな」と思ってデザインしたのではないかと思った。
残念ながら少し錆びたプレイヤーが集まるとゲームはそういう風には機能しない。限られたタイルを置く機会を効率的に使うためには、プレイヤーは協力して経路設定をした方が効率的なので相乗りする傾向が出てくる。また、妨害タイルがあるのだが、これも相乗りすれば相乗りしている間柄では打ち合わないので相乗り志向が強まる。結果として手札の都合にもよるのだが、可能なら群れて移動する傾向があり、相乗りから外れてしまったプレイヤーが脱落していくというようなゲームになってしまう印象が強かった。最終目的地カードを配るオプションルールは、各自に別々の旅をして欲しいというデザイナーの意図がますます感じられたのだが、それほど効果は挙げていないという印象を受けた。
これに対してヘルマゴールでは、コストさえ払えばどこの経路でも通れる。各自が持っているタイルが違うとスコアリングできる都市が違うので必然的にプレイヤーはそれぞれの道を行くようになる。結果としてエルフェンランドにあった相乗り傾向はないように思われる。これは良さそうな点だ。
しかし、他方ではプレイヤーごとのタイルも目指すボーナスも違うので多人数ソロプレイ的なことになっていくのではないかという印象がある。また、ボーナスの種類や系統が複雑で、作戦指針が見えにくすぎ、また誰が勝っているかもわかりにくい気がする。結果として争点が見えにくく盛り上がりにくくはないだろうかという不安を感じる。
このあたりは実際に対戦して見なくてはわからない部分もあるので、一度、やってみなくてはと思っている。