ミッドガルドの野心的な部分はゲームの世界設定から始まっている。
このゲームの世界は二つの鏡像のように良く似た世界から構成されている。そして、互いの世界のヒーローと友人とヒロインの三人組は、それぞれの世界を旅して他方の世界への扉を開く鍵を探すのである。その旅路で様々な部族を臣従させたり同盟したり、敵対するものは滅ぼして宝物を奪ったりする。モンスターも登場しプレイヤーの行く手を阻む。
こうしたプレイを、二人対戦で行い、互いに自分のヒーロー一行を操ると同時に、相手の世界の敵対部族やワンダリングモンスターをプレイするのである。言ってみれば、相互RPGマスターのようなことをするのである。そして、両者は鍵を先に見つけるという競技プレイで連結されている訳だ。
第一部は一方のプレイヤーが鍵を見つけた時点で終結する。そして第二部へと移る。
第二部では鍵を見つけたプレイヤーは臣従・同盟した自分の世界の部族を引き連れて相手の世界へと侵略を開始する。この侵略戦争で勝ったプレイヤーはさらに第三部へと進むことになる。
第三部では二つの世界を統べ驕るヒーローたち一行に対し、世界の創生主が姿を現して対決することになる。実際にプレイしていないのでなんとも言えないが、プレイヤーズノートを見る限りでは侵略戦争で疲弊したプレイヤー陣営が神の四騎士を相手に勝てるはずがない‥という論調で記載されている。
このゲームは過程の物語を楽しむもので、最後にはプレイヤーたちのヒーローはいずれにせよなんらかの形で滅びさるものだという設計になっているのだ。