☆マンガ版:餃子屋と高級フレンチではどちらが儲かるか?を読む

bqsfgame2008-07-08

オリジナルが発売されたときに某サイトで推薦されていて読みたい本のリストにずっと載っていた。
今回、家族で出掛けた時にマンガ版が平積みになっていて、「マンガなら読んでもいい」と奥さんが言うので、一応、奥さんのためにということにして購入した。実際にはわたしが早々に読み終えた。
一言でまとめるなら、非常に良い本だと思った。
本書で一番よいのは、やはり「わかりやすい」、「読みやすい」というところだろう。
内容については、素人社長へのレクチャーという形態を取っていることから会計諸表の読み方から、その諸表から読み取れる会社の問題点の炙り出しへと進み、最後に問題点への対策の実務が少し登場すると言ったところである。大抵の読者は素人社長という立場ではなく、むしろ現場の立場で読むであろうから、この構成は天から徐々に降りてきて自分の身近に近づいてくると言う逆コースになるだろう。しかし、その逆コースに違和感を持たせず、上手に読みやすく仕上げてあるのが本書の素晴らしいところだろうと思う。
他にもいくつか素晴らしいと感じた点があるので個条で書いておこう。
●決算書より先にキャッシュフロー計算書が出てくるのが素晴らしい
●PDCAサイクルが本当に回るのか?という素朴な疑問が書内で口に出されるのが素晴らしい
●タイトルになっている餃子屋と高級フレンチの利益構造の違いが図解で分かりやすく説明され、それを踏まえて素人の社長に対して「どちらが儲かるのか?」、「どちらの会社にしたいのか?」という本質に迫る疑問を突きつけている点が素晴らしい
●製造原価の引き下げにスループットの増大が効果的だということを分かりやすく説明している点が素晴らしい
●そうした会計の表すものを説明した上で「ここが会計の限界なんだ」という部分も明示している点が素晴らしい
●会計数値で異常を見つけたら現場に行き関係者の話を聞きとことん原因を突き止める!と明言している点が素晴らしい
●そうした会計をベースにしたマネージメントについて語った最後の結論として「なくてはならないものは人材です」という清清しいセリフを素人社長が最後に自信を持って口にするところが素晴らしい