さて、第二部を読み終えた。
ストーリー的には多少進展したような気もする。まず奥さんが出て行ってしまうという一大事が起こった。それを踏まえて主人公は考えるために近所の枯れ井戸の底に潜ってみた。加納クレタという女性とクレタ島へ行こうかと考え準備まで始めたのだが、結局は行かなかった。
そんな訳でそれなりに大きな展開があったような気もする第二部なのだが、奥さんが出て行ってしまって自分は失業者という身の上ながら主人公の反応は鈍く、行動はさらに鈍い。この主人公の鈍さ加減がわたしにはどうも着いていけない‥(^_^; という訳で、さっぱり感情移入できないし、ストーリーに対して強い関心を持って読み進むことができなかった。ノモンハンのエピソードの続きも出てくるわけではなく、なぜ本書が世間では高く評価されているのか、一向に理解できてこないまま終わってしまった。当初、本作品は第二部までの形で刊行されたと言うが、なんとも中途半端な感じがする。作者は「登場人物たちへの責任感から」第三部を書き上げたと言うことだが、なるほどこのまま放り出されてしまっては、確かに優柔不断の自業自得とは言え主人公も気の毒な気がする。
さて、第三部を読むかどうかだが、これは第二部以上にますます判らない。ハリー・ポッターの最終巻も出てしまったし、ハイドゥナンも終わっていないし‥(^_^;
その一方で、何故に村上春樹が持てはやされるのかという疑問がますます深まったので、なにか手掛かりを掴みたいと言う気もする。そのときに別の作品を読むよりは第三部を読む方が経緯には沿っているかなと思っている。