BGGの1位が入れ替わる

王者交代というべきか。
世界最大のボードゲームデータベースBGGでは、ユーザー評価、プレイ回数などのデータを利用してなんらかの関数でゲームランキングを出している(関数は非公表)。長年、その第一位にはプエルトリコが君臨してきた。
しかし、先頃、最近、飛ぶ鳥を落とす勢いのアグリコラが一位の座をついに奪った。
プレイ回数のデータも使用されていることから、プエルトリコが持つ累積プレイ回数のデータを跳ね返して新作が一位の座を奪うのは容易ではなく、実際、これまでも数多くの話題の新作(例:現在3位の電力会社、現在4位のトワイライトストラグル)がありながら一位の座には就くことができなかった。しかし、ついにアグリコラが一位の座を奪ったのだ。
このことでいくつか感じることがある。
アグリコラは以下のような特徴を持っており、従来のユーロゲームの伝統的なスタイルより、かなりアメリカンゲームよりだという気がする。
1:特殊能力カードを多用しており、しかも面白さの部分を特殊能力の運用、コンボなどに依存している
2:ルール的に複雑である
3:プレイ時間が長い
こういうゲームが一位になることについて、以下のような印象を受けるがどうだろうか?
BGGのランキングは、かなりマニアよりのランキングになっているのではないか?
裏を返せば、ファミリーゲームとして家族で気軽に遊べるようなゲームを評価する場は別に必要ないのだろうか?
ということだ。
かなり以前から言われていることだが、ドイツのゲーム大賞は、実はファミリーゲーム的なものを高く評価する傾向があり、ゲームマニアのゲーム評価と異なるものが受賞することが多い。その意味では、ユーロゲームは依然としてファミリーゲーム志向を一つの柱として持っているのではないかという気がする。最近の受賞作、ズーロレット、ケルトなどの噂を聞く範囲では、この軸は揺らいでいないようだ。
その意味では、BGGはユーロゲームの軸とは違う道を歩み始めており、当初はユーロゲーム主体のDBと言う印象だったのが、最近はアメリカンゲーマーにオーバーテイクされつつあるのかなという気がする。別にそれが悪いという訳ではないが、そういうことを意識して参考にしていかないと利用の仕方を誤るかなと思っている。
個人的には、ファミリー向けのゲームのリコメンデーションをニュートラルな立場で出せるサイトがBGGとは別に欲しくなって来たのだが、どこか良いところはないだろうか。個人のサイトを見ても、どうしても熱心に更新して書き込む人はマニアックなので、マニアックなセレクションになっているように思う。ショップのリコメンデーションも、どうしても何作もまとめ買いをするのはマニアなので、マニアに向けたリコメンデーションを打つ方が商売の理に叶っているのかなという気がする。