ショートゲームレビュー:コンキスタドール

1976年のS&T58号の付録ゲーム。
ちなみに一つ前の号がPGGで、一つ後ろの号がヒトラー暗殺計画という時代だ。
このゲームは狭義のウォーゲームではないのでS&Tとしては異色作なのだが、それだけに当時のアメリカンゲーマーには新鮮に写り高い人気を獲得した。AH社が版権を買い取ってボックスゲームとして出版したのは、その表れで、さらに晩年のAH社から出版された「ニューワールド」も緩やかな意味で本作のリメイクに当るとする意見もあるようだ。
新大陸探検はゲームの題材として魅力あるもので、しかもアメリカ人にとっては自分史のビッグトピック。それをデザインした当時としては貴重な一作。
ゲームの仕組をザックリと説明しておこう。
ゲームマップは南北アメリカをヘクスマップで描いている。欧州は描かれておらず、大西洋も大陸周縁部しか存在しない。各プレイヤーは、欧州列強の立場となり、国王からもらった予算を用いて船を準備し植民者や軍隊を冒険者や征服者の指揮の下で新大陸へと送り込む。
実際のゲームシークエンスでは、毎ターン、探検隊の計画を同時にプロットし、そのプロットに基づいて探検隊を上陸地点へと配置する。航海過程は省略され、単なる航海上の損耗チェックだけを行う。偶発的に他国の探検隊とマップ上で遭遇した場合には戦闘が可能になっているが、同時プロットで広いマップの一点にいきなり到着する方式なので思ったようには実施できない。
到着して海上損耗を乗り越えたら上陸ができ、陸上探検をして陸上損耗をチェックする。そして、植民者は開拓地を形成、軍隊は原住民と対決する。
開拓地ができ上がると、そことの貿易で収入が得られるようになる。また、原住民都市の略奪や、金山の発見&発掘でも収入が得られる。
ゲーム終了時にもっとも資産を拡大していた列強が勝利する。