メカニクスビルの戦いを考える:アンブローズ・パウエル・ヒル

APヒルは、メカニクスビルの戦いでは南軍の師団指揮官として登場する。彼はリーの複雑な共同攻撃の命令の中で第二撃を予定されていた。しかし、ジャクソンの遅参により、孤立した困難な渡河攻撃を行い敗北してしまう。
APヒルは、南軍の師団指揮官の中では優秀な人物とされており、ジャクソンの死後に新設された第三軍団を任されたことからも、そのような評価にあったことが裏書される。ちなみに、彼もウェストポイント出身で38人中15位という中庸な成績で卒業している。
米墨戦争セミノール戦争に従軍しており、南北戦争では最初から連隊長クラス。そして、南軍が勝利した第一次ブルランの功績で出世、さらに半島戦役の序盤ウィリアムスバーグで戦功を上げて出世した。非常に順調な軍歴だったと言える。
こうした軍歴から判る通り、実務レベルで経験豊富で信頼もされており、南北戦争の東部戦線の主要な戦いのほとんどで彼の姿を盤上に見ることができる。
最後には彼はアポマトックスの直前に戦死し、南軍の崩壊を見ることなく世を去った。
しかし、ウォーゲーマー的に考えてみると、確かに彼は多くの戦場で見掛けるのだが、それほど印象的な仕事をしたようにも思えない。メカニクスビルでは辛抱のないところを見せたが、これは彼の特徴の一つだったように思われる。同じようなことが、ゲティスバーグでも繰り返されることになる。この話しをいずれCWBに照らしてできる日が来ると良いのだが。