懸案の一つ、南北戦争戦略級の新機軸をやってみました。
うーん、随分とイメージと違いました。
まず、こちらのイメージと言うのは、VGの大戦略南北戦争と、AH/GMTのフォーザピープルから形成されています。
それと比べると大幅に違う印象で、プレイして違和感が強くありました。
1:1ターンが半年もある
これが凄いですね。しかも、1ターンは4ラウンドずつしかありません。ですから、凄く大きなイベントでしか南北戦争を捉えられません。良くも悪くも。
2:両軍とも2つしか軍を編成できない
これがまた凄いです。ユニットは軍団単位。これをまとめて軍を編成できるのですが、これが両軍とも2個ずつしか編成できない。フォーザピープルは確か4個ずつだったと思うので、劇的に違います。結果として、1ターンに出来るアクション数が多くなくても良くなっているとも言えます。
3:ジャクソンもロングストリートも出てこない
2個しか軍が編成できず、登場するユニット数が少ないので南北戦争特有の指揮官問題も大幅に簡略化されています。ボビーはいるけれども、ジャクソンもロングストリートもいません。また、結果としてフォーザピープルでは最強トリオが編成されて圧倒的な蹂躙攻撃をできたのが、そんなことにもなりません。
4:ワシントン問題がない
上述の通りで南軍の最強軍が出現しないゲームで、ボビーのレーティングにも特にジャクソンやロングストリートの存在が反映されていないことからワシントン危機が深刻ではありません。その代わり勝利条件が戦意比較なのですが、北軍の戦意のリードが2点しかなくなっており、このためワシントンでなくとも北部の拠点を数箇所占拠されると初期には南軍がサドンデスできると言う別のリスクが存在しています。実は、これはフォーザピープルの第2版でもあった、北部州の南軍制圧サドンデス問題と同じです。フォーザピープルでは、当初は北部に賛同した中立諸州も北部州扱いだったので、中立州は逆に南部に一旦政治的に同盟させてしまった方が北軍はサドンデス負けしにくいと言うおかしなことが起こっていて、結局ルール改正になりました。その意味では本作は改正前の状態に近くて、これはちょっとどうなのかなと思わないでもありません。ただし、第3ターンに、一定規模の戦闘で勝って奴隷解放宣言を出してしまえばリードが2点増加するので、それほど深刻ではないのかも知れません。
いずれにしろ、かなりアクの強いゲームで、少し練習しないと全体構造を理解してプレイ運用できるようにならないかも知れません。
フォーザピープルの簡易版と言うのは全然違っていて、まったく別のゲームだと言うのが第一印象です。