牛之浜撮雄九段の話し

以前に「筆者が碁を勉強していた頃に山部先生が名人戦リーグに復帰してきた」という話しをしたかと思う。第6期名人戦リーグの話しになる。
その2期前の第4期名人戦リーグにいたのが関西棋院の牛之浜撮雄九段だ。当時はかなり打てていて、NHK杯で若手だった伊藤五段を一蹴した碁など、非常に印象的だった。
最近は2チャンネルあたりでも、名前の迫力と、天元戦事件でしか話題にならないようだが、当時は魅力ある棋風の関西棋院の猛者の一人だった。
囲碁棋譜でーたべーすを見ていたら当時の棋譜があったので並べてみた。
まず第4期名人戦リーグ。2勝しかできずに陥落したのだが、2勝した相手は趙治勲坂田栄男名人戦リーグなので、いずれ名だたる強豪ばかりだ。
趙戦の棋譜
http://wiki.optus.nu/igo/index.php?cmd=kif&cmds=display2&kid=39059
5手目の小目からシマリを省略しての開き、9手目の大ゲイマ受け、地よりも中央を重視する棋風が窺われる。
中でも牛之浜流が炸裂するのは11手目の三三へのカカリから13と飛び、さらに15とケイマ(ボウシ?)して一気に上辺を盛り上げるところだ。
対する趙は両三三。上辺の模様に対して16で様子を聞き、右に付けて受けたので右上隅へと展開していった。結局、白は四隅を取ることになるのだが、牛之浜の上辺から右辺へと続く黒地が大きく黒の中押し勝ち。白は四隅を取っても地が足りないので中央に地を作らなければならなくなったが、161まで黒が中央に顔を出してしまい投了図に。
久しぶりに牛之浜九段の棋譜を見たが、快心の勝利譜での牛之浜九段の打ち回しは爽快感がある。