ヴァンスの悪魔のいる惑星を読む

bqsfgame2011-09-05

1967年のSFM。
悪魔のいる惑星は、植民惑星ものだが、三重星を巡る昼夜がてんでんばらばらな惑星に、大時計を設置して地球時間通りに暮らそうとする新植民者と、現地のリズムに合わせて暮らす旧植民者の文化的対立を描く。
書いてしまえばそれだけのことを、いかにも理解しがたい異文化コミニュケーションのように味わい深く描いて見せるのがヴァンスの芸。ここらへんは粗筋など無意味で読んで見てもらうしかない。
傑作「月の蛾」だって、音楽を使ってコミニュケーションするエイリアンの星で、コミニュケーションに苦労しながら事件を解決する異文化ミステリーと説明してしまえばそれだけのこと。それを傑作にしてしまうのがヴァンスの芸な訳だ。
と言っても本作は「月の蛾」に比べると数段落ちるのであまり期待しないように‥(^_^;