鱗狩人の美しき娘を読む

bqsfgame2011-10-30

SFM1991年5月号。
ルーシャス・シェパードの龍のグリオールシリーズの第2作。
SFMの版組みで53ページと言うから、文庫本で130ページくらいのノヴェラになる。
シリーズと言っても、死に掛けた龍が山のように横たわり、そこに人々が村を作って住んでいると言う設定が共通なだけで、人物などに共通性はない。
本作では鱗狩人の娘キャサリンが主人公。男に襲われそうになった彼女は正当防衛で相手を殺してしまうが、女友達の裏切りで男の兄弟に追われグリオールの体内へと逃げ込む。そこには、独自の生態系を持つ世界が広がっていて、彼女はそれを研究しながら隠遁生活を始める‥。
うーん、地味です‥(^_^;
独特の異国情緒に満ちている所はヴァンスにも通じるが、その異国情緒の魅力と言う点ではヴァンスほどではないかも。ストーリー的な妙味がそれほどある訳でもなく、ヴァンスに続けて読んだのは失敗だったか。
最後は再び村へと表れた彼女は、かつて裏切った女友達と対峙する。
グリオールがなんらかの力を発揮して人々の運命を操っているかもと言う疑念が提示されるが、それも明確ではない。
第1作もそうだったが、人生と言うものの重さと軽さを考えさせられる作品であることは確かだと思う。