エリスンの死の鳥を読む

bqsfgame2011-09-07

1990年10月号の400号記念特大号のSFM。
そこでの企画として、「あの名作をふたたび」でSFMに過去に掲載されて、その後、日の目を見ていない短編を選んで再録している。この企画は非常に良い企画で、なるほど錚々たる中短編が集まっている。
その中の目玉の一作が、エリスンの「死の鳥」だ。
翻訳家の伊藤典夫氏が絶賛していることで以前から知っていたが、前評判倒れな印象を受けた。
「少年と犬」の解説でも登場するアーブーのエピソードは興味深い。しかし、全体の短編の構成は、スタイル志向に過ぎるように思うし、読んで特に感動するというようなことはなかった。
それでもエリスンの短編集の表題作になっているのだから、世評的にも作者本人的にも出来の良い作品と言うことなのだろうか。