○鉄塔武蔵野線を読む

bqsfgame2012-10-24

第6回ファンタジーノベル大賞受賞作。
うーん、事前にただひたすら鉄塔を巡る小説だよと聞きましたが、その通りです。しかも、結構ちゃんとした長さの長編で、それが全編鉄塔巡りです。
しかし、単調ではあるのですが、読みやすく、割とあっさりと終わりまで行ってしまいます。大賞と言うほどかどうかは別として、小説としてはアリだと思います。
ただ残念なことに新人賞は、文壇に新しい才能を送り出すことが使命の一つで、その意味では受賞後の活躍が問われるところです。その意味では銀林さんは、第2作が連載終了したのに本になっておらず、未だにアクセスできる著作は本作のみと言う残念な結果になっています。
是非とも周囲を再び瞠目させる新作を物にしてほしいところです。