最終ターンで、K川艦隊のミサイルの強さが圧倒的だったことから、Sinymgさんがゲーム的に技術のバランスが取れていないのでは?と言う指摘がありました。
このゲームでは研究して高性能部品を開発し、これを自分の艦種の設計図に織り込むと装備できます。攻撃兵器の基本はキャノン系なのですが、1種類だけミサイルがあります。このミサイルは名作「インペリウム」のミサイルに良く似ていて、長射程から射撃できるので先制できる。しかし、1回射撃してしまうと撃ち尽くすので後は使えないとなっています。
また、攻撃支援コンピューターがあって本来6だけしか命中しない射撃判定に、+修整を加えられる部品があります。このコンピューターで最高性能の物が+2なのですが、困ったことに同じ部品を複数装備できるので+2×2と言うことができます。どんなに修整しても1は必ずハズレと言う制限があるので、+4修整で2がヒットするようになれば最高性能です。
対抗してシールドや船殻強化もできるのですが、基本的に本ゲームは攻撃優位なので防御で生き残るのは難しいのが実情です。
で、武器が進化して破壊力と命中確率が上がってくると、圧倒的に先制攻撃が重要になってきます。で、結果としてミサイルの価値がゲーム終盤には高まると言うことになります。一回で撃ち尽くしてしまうと言っても、先制攻撃で相手を全滅させられれば問題はないわけです。
もう一つ、このゲームでは宇宙船はエネルギー供給源と消費のバランスが取れている必要があります。この時に、強力なキャノンはエネルギー消費が高く、またコンピューターも高性能品はエネルギーを消費します。ですから、キャノン系は性能の高いエネルギー源の開発から始めなくてはならず開発経路が長くなっています。ところが、ミサイルは船体のエネルギーを消費しない利点があるので、高性能コンピューターと組み合わせてもエネルギー消費が高くならない優れものなのです。
強力な攻撃兵器に対抗する策としては、シールドや船殻強化の他に、小型船の数を増やして対応する所謂ウィニー戦術があります。ところが、本ゲームでは移動アクションが一回に3隻しか動かせないと言う艦数制限が掛かっているので、こうしたウィニー作戦が運用しにくいのです。特に攻撃側では事実上実施不能に近いと言えます。トワイライトインペリウムのように空母で戦闘機を大量に搭載して輸送できるようなルールがないので、自分の星系で量産して防衛することはできても、ウィニーで攻勢に出ることはできないのです。
そうすると、ミサイル技術は圧倒的な優位性を持っており、オリジナルセットの範囲で見る限りでは最強と思えます。
この点はBGGでも指摘されているようで、ハウスルールの提案もされているらしいのですが、人気作品だけに世界共通ルールで遊べるように公式な対応を期待したいところです。検索したところ、どうやら拡張キットにはミサイル対策技術が入っているそうです。「古代種族の台頭」は購入したのですが、まだ開けていないので早急に開けてチェックしなくては。