陸戦ルール

この戦争は時期的には南北戦争とWW1の間の戦争ですが、南北戦争に近く、19世紀の戦争の一つです。
冒頭に書きましたが、地形が険しいことが特徴です。それに加えてユニットには固定的な移動力がなく、移動する都度2drして大きい方の目を取って移動力とします。ですから1のゾロ目が出ると1移動力しかなく、1移動力では荒地に入れないため移動できなかったりします。山地では移動コストが4なので、山岳地帯に分け入るとしばしば移動できなくなります。その代わり、移動は1ターンに何回でもできます。ただし、ゾロ目が出ると移動中のスタックから1ステップロスしていきます。険しいアンデスの山を1ターンで走破することも確率的には可能ですが、途中で損耗が嵩んでいくことになります。ここらへんの移動の不確実性は、19世紀以前の戦争だなと感じさせます。妙な話しですが、先日プレイしてガッカリした「カイバーライフルズ」に期待していて見られなかったものが此処にはあるように思います。
戦闘は海戦と似ており1ラウンドだけ相互に撃ち合います。各ユニットは1drし、6が出るとヒットで相手スタックに損害を与えます。戦闘修整は全てのユニットのdrに効くものが多く、前述したように基本地形の荒地でさえ防御側+1でそれなりに強力です。要塞に至っては+3なので、攻撃側はかなりのダメージを受けます。チリ、ペルーの主力部隊の多くは2ステップなので、1ラウンドの戦闘で相手を掃討することは難しく、両軍が増援しながら戦闘が継続することもしばしばです。増援を送り込む話しになると、陸路にせよ海路にせよ兵站線の問題を抱えるチリ軍は苦しくなります。このため、出来る限りまとまった主力を送り込んで一気に勝ちたいのですが、そこは海軍の輸送能力と制海権の問題もあり一筋縄では行きません。
陸戦固有の問題ではありませんが、補給の問題も重要です。補給には多様な用途があり、減少陸軍の補充、全滅陸軍の再建、増援の配置、損傷艦船の修理などに使用できます。このゲームでは増援は投入可能ボックスに来るだけで自動的には盤上に現れず補給を払って配置します。この他に、移動の損耗時に補給で損耗を満たすことができますし、戦闘時に使用することで余分のdrを可能にします。
そんな訳で、良く言えば使い出があり、悪く言えば補給がないとあらゆることに支障を来すようになっています。
自軍制圧地域で防衛するペルー軍は大きな問題はありませんが、前線に精鋭を投入し、その戦闘を継続的に支援するチリ軍にとっては補給の前線輸送も問題になります。補給を前線へ運ぶのに苦労するゲームと言うとWW2の北アフリカ戦線が思い浮かびますが、それに似たテイストがあります。しかも、海上輸送は前述したようにタイムラグがあり、制海権の問題を抱えるのです。