ペロポネソス戦争

シラクサ包囲戦は、ペロポネソス戦争の一部。しかし、考えてみるとペロポネソス戦争のゲームと言うのは、ヴィクトリーのソロプレイゲームくらいしか聞いたことがない。共和政ローマのゲームが随分とあるのと比較して、不遇と言う気がする。
とは言え、世界史の教科書では冒頭に登場することもあって、割と名前だけは有名だろう。スパルタを軸とするペロポネソス同盟がアテネを軸とするデロス同盟と戦った戦争だ。
この戦争は覇権主義アテネに対して、各都市国家の自主独立を重視するデロス同盟が反発したイデオロギー戦争とされている。古い時代のことであるが、トゥキディデスや、クセノポンの記録から戦争の流れは概ね把握されているらしい。
VV誌で扱われたスファクテリアの戦いは、第一次戦争の中期に当り、降伏しないことで知られたスパルタ軍が降伏したアテネ側の貴重な勝利として知られる。しかし、戦争全体の帰趨はペロポネソス同盟側に傾き、有力武将の敗死もあってアテネは降伏した。
先日プレイしたシラクサ遠征は、第二次戦争のキッカケに当り、アテネ側が長駆シラクサまで遠征したものである。この遠征は無理があり史実ではアテネの敗北に終わる。
ペロポネソス戦争ペロポネソス側の勝利に終わるが、アテネは存続し、敗戦の結果として共和政から独裁制に移行。さらに、宿敵であるペルシャの援助を受けて断続的にスパルタと戦い続ける。ギリシャ世界は、スパルタ、アテネ、テーベなどが主導権を奪い合う混乱期を迎え全体としての勢力を失い始める。そうした時期に台頭してきた新勢力がマケドニアであり、やがて歴史に名高いアレクサンドロスが登場してくることになる。