刑事コロンボを見る(23、27、30)

bqsfgame2014-04-04

通番23話目は、愛情の計算です。
このエピソードでは、アメリカのシンクタンクを舞台にしており、そのためMM7なる最先端ロボットが登場したり、WW3の防衛シナリオを研究していたりします。ここら辺、なかなかSFファンとしては見ていて嬉しいガジェットです。
ただ、倒叙物推理劇としては、ちょっと作りが粗い。犯人のアリバイ工作に高性能ロボットMM7が使われるのですが、結局、そこはコロンボは推測はするものの証明できません。
で、結局、無理筋で犯人の息子を逮捕する芝居を演じて犯人に自白させます。
犯人の側もコロンボの側もやることが雑な感じがして、ミステリーとしては失敗作に近い出来栄えです‥(^_^;
通番27話は、「逆転の構図」です。
日本語タイトルは、完全なネタバレでどうかと思いますが、面白そうな響きを持っているので良しとするのでしょうか。
犯人は写真家であり、自分の妻を狂言誘拐の上で殺してしまいます。積年の恨みがあったためか、非常に長期計画の殺人で、身代わり犯人を刑務所の取材写真集時代から準備していたと言う用意周到さ。
それでもコロンボの観察力と直感的洞察力には勝てず、コロンボは早々に身代わり犯人の手に硝煙反応がないか鑑識に確認を求めます。この鑑識結果は作中に描写がないのですが、理屈からしてなかったはずで、その時点で犯人偽装が確定します。
で、最後はコロンボ一流の引っ掛けで、写真を裏焼きしておいてアリバイが崩れたと吹っかけ、犯人にネガの入ったカメラを自分で取らせて御用となります。
なるほどとは思いますが、筆者はこのタイプの「犯人を騙して引っ掛ける」タイプの解決方法があまり好きではありません。引っ掛からなかったらどうするつもりなのかなと思ったりします。
通番30話は、ビデオテープの証言です。
「愛情の計算」もそうですが、先端技術を利用したアリバイトリックです。このタイプの話しを今の時代に見ると問題なのは、当時としては斬新な技術で、トリックも専門家でないと発想が難しかったと言うことです。ところが、特に今回のビデオレコーダーは、今では生活用品の一つになっていて、かなりいろんなことが普通の人にも出来てしまいます。なので、「そのくらい思い付けよ」と思えてしまうことです‥(^_^;
結局、殺人をする時間帯はモニター室に録画済みの無人の部屋を写す。その間に殺人をして、それは別のビデオで録画して置き、自分が外出してからモニター室に流してやると言うそれだけのことです。
今となっては、簡単に発想できるし、技術的にも簡単です。しかし、当時はコロンボはビデオの専門技術者にわざわざそういうことができるかを聞きに行くようなことだった訳です。そういう意味では、このタイプは風化が激しいと言えるかも知れません。
犯人の妻のエリザベス役のジーナ・ローランズは、シリーズでも屈指の美女。吹替えが、峰富士子の二階堂有希子さんと言うのが嬉しいです。先日、某所で峰富士子と言えば二階堂有希子と言ったら、知らない人がいて吃驚しました。増山江威子さんはセカンドシリーズからです。