俺たちに明日はないを見る

bqsfgame2014-07-08

「卒業」と共にアメリカンニューシネマを築いた記念碑的作品。
有名な映画なのであらすじは知っていますし、有名なシーンは断片的に引用されるので知っています。ですが、通しで見たのは実は初めて。BSプレミアムシネマ様様です。
大恐慌時代に実在した連続銀行強盗殺人犯のボニーとクライドを題材にした犯罪映画。
ムショ帰りのクライドが、自動車泥棒の物色をしていると車の持ち主の娘のボニーが見咎めて声を掛ける。それが二人の出会いで、クライドが強盗で刑務所に入っていたと言うとボニーは信じない。そこで、クライドは実際にその場で強盗をして見せる。
安易に犯罪に走る二人に好感を持てるはずもないが、一方で銀行強盗は私利私欲のためではないこと。殺人も積極的にやったのではないこと。警察や新聞が多くの彼らのでない犯行を彼らの犯行として扱ったこと。そういう犯人側に寄り添った視点で物語を見ていくと、最後に待ち伏せされて機関銃で蜂の巣にされるほど悪い奴らじゃなかったんじゃないの‥と考えさせられる。その意味で最後の有名な死のダンスは見ているのが辛いし、それ故に、もう一度観たいとは思いにくい仕上がりになっている。
しかし、フェイ・ダナウェイが演じるボニー・ハーパーは、美人とは言いにくいが魅力的だ。ボニーがクライドの体を求めてフェラチオをしようとすると、彼の器官がまったく反応していないのを発見して二人とも失望するシーンは、当時としてはセンセーショナルだったと言う。それも時代を感じさせる。