いえ、秋葉会と言う名のゲーム会がある訳ではありません。
諸般の事情があって参加者の都合が逢う日に適当なゲーム会がなかったので、秋葉のイエローサブマリンで対戦してきたものです。
筆者と提督さんは対戦が3回目、DragoonさんとWilandorさんは初めてでした。陣営はダイスでランダムに決め、Wilandorさんがオランダ、筆者がイギリス、Dragoonさんがスペイン、提督さんがフランスとなりました。
うーん、世界の敵、イギリスかぁ‥と言う感じでしたね。しかし、積極的に動かねばならない立場のイギリスを経験者がやるのは妥当な配役かも知れません。
本ゲームは、各プレイヤーが1アクション(1艦隊を移動&戦闘)ずつ延々と時計回りに続けていく無制限アクション方式です。全員が連続してパスすると終るのですが、アクションコストを払うに見合うアクションがなくなるとパスになります。実は、本ゲームでは第1ターンが全員の資金が一番少ないので、第1ターンが一番短いことになります。第1ターンの行動結果にもよりますが、以降は資金がもっと大きくなります。
イギリスは初期資金がもっとも少なく10TPしかありません。キャンペーンチット(実際にはカード化してあります)を1枚購入したので、7TPで作戦フェイズを開始。世界最強の艦隊を持っていますが、これでは満足に行動できません。
取り敢えず、前回の対戦でオランダにサドンデス勝ちされたことを踏まえ、オランダのトレジャー港で奪取しやすいレシフェを取っておきます。ついでにアフリカ西海岸のゴールドコースト。これらはトレジャー港としてはもっとも低収入なものなので、あまり実入りが良くありません。しかし、2年目以降の喜望峰を越えてのアジア進出のための中継拠点になるので、まずまずでしょうか。さらに、欧州の出口を少し南へ移して置く意味と、現金収入のためポルトガルのリスボンを制圧します。これは史実でも実現し、次の次の時代のナポレオン戦争の時にフランスの半島戦役を長患いにすることになります。
閑話休題。
アジア植民地で先攻するオランダは、ジャワのトレジャーフリートを遠路はるばる本国まで回収しました。襲うこともできなくはありませんでしたが、レシフェを戴いたこともあり、1ダイス分の通行料で見逃すことにしました。フランスは、アンティル諸島、プリンスルパートを確保して、北米大陸に地歩を築きます。スペインは、もともと保有しているヴェラクルーズとマニラを回収。このターンは、全員が2個ずつトレジャーフリートを回収しました。
収入フェイズに計算すると、オランダ一人だけが100TPを突破し断然資金力トップです。イギリスは2位に付けました。しかし、資金的には2位から4位まではダンゴ状態です。
第2ターンですが、イギリスとしては艦隊数を増やして手を広げようかとも思いましたが、結局、強力艦隊2個の路線で行くことにしました。
イギリスの基本路線としては、開始時に一番特別勝利条件に近いオランダの勝利を阻止しつつ、自分の特別勝利条件に接近していくことと思いました。オランダの特別勝利条件は、5つのトレジャー港を支配することです。最初からジャワとレシフェを持っており、ジャワはヨーロッパから遠すぎて陥すのが現実的ではありません。と言うことでレシフェを奪ったのですが、オランダはアジアでゴアを支配して損失分を埋め合わせました。太平洋には、他にもマカオ、オマーン、スペイン領のマニラなどがあり、実は太平洋だけでトレジャー港が5つもあります。ですので、太平洋を警戒して置く必要があります。
そこで、イギリス第一艦隊は、ジェイムスタウン、ゴールドコースト、レシフェを経由して喜望峰を回って太平洋へと進入しました。しかし、ジェイムスタウンを出港する時に嵐に遭遇して1隻が脱落、2隻が損傷してしまいます。
太平洋に進入した所で、マダガスカルの海賊を退治します。表向きは世界の平和のためですが、実の所は作戦資金のための小遣い稼ぎです。しかし、海賊のリーダーが意外に優秀で、また1隻が損傷しました。
それでも各国艦隊の中で先頭を切って太平洋に進入し、オマーンのトレジャーフリートを獲得します。しかし、イギリス第1艦隊はさらに前進。自国領であるマドラスを過ぎてベンガル湾に入り、これを支配します。ベンガル湾は、指定されているイギリスの特別勝利条件港11個の一つなのです。これで、初期配置で持っているジェイムスタウン、マサチューセッツ湾、マドラスに続いて4個となりました。
ベンガルさえ支配すれば良いので大西洋に向かって帰還しようとすると、反対方向から壊血病でボロボロになったオランダ艦隊がやってくるではありませんか。折角、確保したオマーンを奪われたり、中立のマカオを奪われては面倒なので、これを直接海戦にて撃破します。それにしても、嵐、海賊、オランダ艦隊と3回のイベント/戦闘を経て、さすがに疲弊してきました。そこで、喜望峰にあるオランダ支配のホーン岬を艦砲射撃で撃滅して支配します。実は、これもイギリスの特別勝利条件港の一つ。これで5つになりますが、勝利条件は7つなので、まだ2つも要ります。
オマーン、ベンガルの支配に陸軍を使い切ってしまったので、止むを得ず5級船を分離してホーン岬に置いて大西洋に入ります。疲弊した艦隊が、さらに弱体化したのですが、イベントで能力の高い提督を得たので、なんとか逃げ切ろうと言う思惑。ひとまず南米のレシフェに寄港します。
しかし、此処で疲弊したイギリス艦隊は十分に倒せると見たスペイン主力艦隊がカディスから出港して襲いかかってきます。
対オランダ艦隊戦ではいなかった2の提督を繰り出し、ガンナーとレイキングを投入して応戦します。相手のスペイン艦隊も2の提督で、ガンナーとレイキング。これは、史上、稀に見る大海戦となりました。
無傷のスペイン主力艦隊は、イギリス艦隊より少し強いかなと言う印象でしたが、スペインプレイヤーの想定外だったのはイギリスの2の提督。対オランダ艦隊戦にはいなかったはずのものが登場して動揺が走ります。
本ゲームの戦闘システムは先攻が射撃した結果を反映してから後攻が撃ち返すので、先攻が有利。それは風向きダイス勝負で決まります。この戦闘では、第1ラウンドから第4ラウンドまで、ことごとくイギリスが風向きロールに勝利して先制射撃。その結果、一時はイギリス艦隊が優勢になったのではと思われる所まで行きました。しかし、最後はスペイン艦隊がようやく風向きを掴んで勝利。イギリス第1艦隊は全滅しました。
しかし、本ゲームでは戦闘の勝敗は、生き残ったかどうかではなく沈めた敵艦の砲撃力を主に判定します。途中まで優勢に展開したイギリス軍が沈めたスペイン艦の方が多く、勝利判定は全滅したイギリス軍の勝利となりました。実は勝敗はかなり重要で、勝者にだけ撃沈した敵艦の砲撃力に相当する資金が得られます。もっと重要なのは、敗者は使用した戦闘カードが捨て札になりますが、勝者は戦闘カードを回収できます。結果として、イギリスは14TPを獲得して、戦闘で最強と思えるガンナーカードを回収しました。しかし、提督を失ったのは痛かった。スペイン艦隊は、イギリス艦隊が保有していたトレジャーフリートを拿捕しましたが、主力艦隊に大きな痛手を負い、なにより非常に貴重なガンナーカードを吐き出すことになりました。両軍ともに痛み分けと言う所でしょうか。
スペイン艦隊が脆弱になったので、これを狙ってフランス艦隊が出て来るかもと言う噂もありましたが実現せず。イギリス第2艦隊による報復戦も噂されましたが、イギリスとしては資金より特別勝利条件港が欲しいので自重しました。フランス艦隊がスペイン艦隊と戦ってくれれば、北米フランス領のケベックを攻めて見たかったのですが、フランス艦隊が自重したのでイギリスも自重。結局、スペイン艦隊は傷だらけながらもトレジャーフリートを回収してターンエンドとなりました。
ここで時間切れとなり、第2ターンの歳入フェイズはやらなかったのですが、資金的にはスペインがトップ、次がイギリスだったのではないかと思います。しかし、両国とも主力艦隊の再建に多額の資金が必要なので、それほど優位と言う訳でもありません。
見解は分かれましたが、筆者はこの時点では勝利条件的に勝ちやすいオランダが少し打ちやすいと見ました。ただ、アジア植民地との往復は大変で、第1ターンは復路航行したものの、第2ターンはアジアへの往路航行しかできず、それも壊血病とイギリス艦隊に撃破されてしまい第3ターンのアジア作戦の見通しが立ちません。
スペインは資金力トップに躍り出ましたが、特別勝利条件がアグレッシブな物ではないので、なかなか勝つのは難しそう。誰も勝たずに終りまで行けば勝ちですが、まだ見通しは何とも言えません。
フランスの特別勝利条件は資金で2位を100TP引き離すことですが、トップにもさせてもらえていないのでこれも簡単ではなさそうです。
イギリスはベンガルとホーン岬を取得して、あと2つ特別港を取れば勝ちなので、オランダの次に打ちやすいと見ました。具体的な目標としては、北米のフランス植民地、ケベック、オランダ植民地、ニューアムステルダム(現在のニューヨーク)、カリブ海のフランス支配のトレジャー港、アンティル諸島などがあります。オランダとフランスの両方と戦うのは厳しいので、フランスに絞ってケベックとアンティル諸島に、強力な艦体を2つに絞って作って、それぞれ突撃させるのでしょう。それに対するフランス艦隊の反撃力やいかにと言う所です。貴重なガンナーカードを確保しているのが頼みの綱です。ただ、イギリスは提督を失ったので、これを補充しなければならず、能力2の提督を引き戻せるかが大問題です。
11時半にスタートして17時くらいまでやって2ターン終了でした。第1ターンは2時間で行けるのですが、資金量が増える第2ターンは3時間でしょうか。3ターンまでやるなら、8時間コースですかね。10時半スタートで昼食休憩を挟んで19時までと言う感じでしょうか。
またの機会に腰を据えてやりたいものです。
初めて4人でプレイしましたが、4人の方が良いと思いました。3人だと、イギリスの武力が支配的になりやすいのではないかと言う気がします。3人敵がいると、さすがに大変でした。
このゲームは大洋を舞台にした戦線無きマルチなので、全員が全員と相互作用を持っているのも良いと思いました。そういう意味で、人数が増えても、誰にとっても無関係な他人が増える訳ではありません。人数が増えた圧力は、全員に働きます。スペインは、サドンデスされないように警戒する相手が増え、オランダはトレジャーフリートを狙うハイエナが増え、フランスは資金で圧倒しなければならない相手が一人増える訳です。
あまりプレイ報告を聞きませんが、ミランダのゲームの中でもトップクラスの傑作ゲームです。面子を集めるのと、プレイ時間が掛かるのと、自分でいろいろとプレイエイドを作らないとプレイしにくいのとで敷居は高いですが、それに見合う満足は得られます。