あかね書房の少年少女世界SF全集です。
懐かしいですね。筆者が小学校高学年から中学校の頃に、学級文庫や図書室の人気アイテムだったシリーズです。
このシリーズでSFファンになったと言う友人が男女とも多かったのを記憶しています。
本書は、ポールとウィリアムスンの合作によるジュブナイル三部作の二番目です。あとがきでは三番目と書いてありますが、近年の資料では二番目で統一されているようです。
ウィリアムスンは、先般の「火星ノンストップ」や、「ポータルズノンストップ」のSFマスターの一人。ポールは通俗SFの名手から「マンプラス」で思弁SFに変身してニューポールと呼ばれるようになった、あのポールです。
ジュブナイルなので一気に読めてしまう短さですが、それにしても痛快です。内容は、タイトルの通りです。主人公は、海底艦隊の士官候補生。舞台は地震のメッカにある新設海底都市。そこで36時間以内に最大級の地震があるという予知がされ‥。
ジュブナイルならではの、人間性と科学に対する揺るぎない信頼感で安心して読めます。
あと、当時は気付きませんでしたが、海底艦隊も海底都市も国籍色がまったくないのに驚きます。海底開発は、アメリカ製の耐圧材料、日本の地震予知技術、ドイツ製の地底戦車などを基盤にしており、場所は東南アジアにあったりします。グローバル体制が確立されていることが前提なのですね‥(^o^)
それにしても、この全集には「地底世界ペルシダー」も入っていて、なんと2冊も地底戦車が登場していたのです。そうか、筆者の地底戦車好きの原点は此処にあったのか‥(@_@)/