☆梅田地下オデッセイなどを読む

bqsfgame2015-01-29

「梅田地下オデッセイ」は以前から読みたかったのだが、なにせハヤカワ文庫版はワケアリで再版されず高騰しており、ちょっと手が出なかった。
そうしたら、なんと大阪小説アンソロジーという「大阪ラビリンス」に収録された。なんと素晴らしい企画だろう。有栖川有栖先生、万歳‥(^o^)
さて、そんな事情なので、実は小松左京の「大阪の穴」と堀晃の「梅田地下ラビリンス」しか読んでいない‥(^_^;
「梅田地下オデッセイ」は、梅田の地下街を制御するチカコンなる制御システムに地下街に隔離されてしまった一種の難民種族の物語である。この地下街への隔離は、人間行動学実験ではないかと言う疑いを主人公たちは持って真剣に論じあう。そういう意味では、ちゃんとしたハードSFである。そして、その異常空間の中から新人類が誕生すると言うビックリな展開である。
そういった背景は置くとして、本書の最大の魅力は、誰しもが感じたことがあるであろう地下街の迷宮性の魔力を最大限に引き出していることだと思う。「仮面ライダークウガ」に出てきたゴ・バベル・ダが、地下街の出入り口を封鎖して中に閉じ込めた人間を駆り立てると言う残虐なゲゲルを展開したが、あれを思い出した。あれよりもずっと、機能的でドライな迷宮劇なのだが、それでも地下街の闇に潜む恐怖を引き出していると言う点では共通するものがある。
惜しむらくはハヤカワ文庫版にある石原先生の解説が付随しないことであるが、そこは止むを得ないだろう。
小松左京の「大阪の穴」は、大阪夏の陣真田丸に付随する真田の抜け穴の話し。真田の抜け穴は遺構として実在するのだが、断片的なものではなく現在も完全に近い形で潜在していると言う妄想劇である。
徳川軍を悪役と見て、豊臣家の最後の抵抗に浪漫を感じるのは、特に大阪人のメンタリティとしては今でも自然なことなのだろうか。映画「プリンセス・トヨトミ」も言って見れば、そういう意識の反映された作品な訳だ。
こういうのを読むと、GJで復刻された「真田軍記」を稼働させなくてはなぁと思いますね。
この辺とか読んで妄想しています‥(^o^)
http://slgplayer.exblog.jp/19738389/
冬の陣シナリオなら、多少はゲームになりそうなんですね‥(^o^)