×キャサドニアのオデッセイを読む

bqsfgame2015-09-02

SFマガジン400号の「あの名作をふたたび」の一つです。
マイクル・ビショップの代表作の一つだそうです。
と言っても、筆者はビショップが苦手です。海外SFノヴェルズで出版された「焔の眼」を、大いに期待して読んで失望したトラウマが回復できません。
作風としては、異星文化学的な色彩を強く感じるのですが、この異質なエイリアン像があまり魅力的でないというか波長が合いません。
本作にも独特なエイリアンが登場するのですが、これも魅力的とは言いにくい。レムの「ソラリス」や「砂漠の惑星」のような理解を越えた存在を描くという挑戦ではないのですが、かなり共感困難な領域にあります。中途半端に擬人化されているのが、かえって落ち着かない気分にさせるのかとも思います。
実は多作な部類に入る作家で、短編も豊富に訳されていますが、未だに短編集は日本では一冊も出ていません。そこらへん、やはり日本での受容度は低いのかなと思ったりしています。