SFマガジン 栗本薫追悼を読む

bqsfgame2014-01-23

2009年9月号の栗本薫追悼特集。
短編の再録が2本。
1本目は「氷惑星の戦士」。プレグインサーガとして紹介されているが、独立したSFハードボイルドと言う方が妥当だろう。表紙に加藤直之のグインを持ってきて、これをプレグインサーガと説明すれば売れるのだろうが、ちょっとどうかなぁと思わされる。
本作を読むと、どちらかと言えばライバーのファファード&グレイマウザーの影響を強く感じる。また、北欧神話からモチーフを借りているのは自明であろう。その意味では、グインサーガと繋げて読む方が不自然な感じがしてしまうのだ。
2本目は「遥かな草原に」。こちらはファーストコンタクトテーマのSF。ファーストコンタクト物は往々にしてワーストコンタクト物になりがちとは、SFスキャナーダークリーにも指摘のあった所。そんな中で、信じられないほどフレンドリーなエイリアンと、裏切りのない展開でコンタクトするとっても珍しい作品。それで、小説としてどうなのよと言うのは読んで確認してもらうしかないだろう。