本作の大きな特徴は、機動システムです。本作では、まず戦域司令官が自身のコマンドポイントを決めます。1から4の範囲であり、指揮官の能力には依存しません。
続いて、配下の司令官に伝達します。これも指揮官の能力に依存しませんが、上級司令官と下位司令官の距離に依存します。判定の結果は、マイナス0から−3までになります。上級司令官のコマンドポイントに判定結果を減じたものが下位司令官のコマンドポイントになります。
このことから判る通り、戦域司令官のコマンドポイントが盤上の友軍すべてのコマンドポイントのベースになります。戦域司令官がやる気満々でないと全体が積極的に機動できません。
各スタックは、そのスタックの指揮官のコマンドポイントを、指揮官の能力で除した比率の移動力を使用できます。たとえば、能力3のマクレランが1ポイントを受け取ると、1/3の能力を使用できます。歩兵の標準移動能力は8なので、2移動力しか使用できません。逆に、ジャクソンは能力1なので1ポイントでも受け取れば100%の能力を使用できます。
南軍は、リーとジャクソンが1、ロングストリートなどは2です。北軍は3が多く、一部に4と言うのもいます。したがって、北軍の方が、はるかに機動力が劣ります。
南軍は軍団長がいるので、戦域司令官→軍団長→師団長という連鎖で判定できます。このメリットは、チェーンを2分割することで、判定距離を短くできるため、伝達ロスを減らせることです。
この指揮系統による機動能力決定は、非常に合理的です。しかし、これを毎ターン判定するのは少し面倒です。実際には、このルールの都合もあって、有能な司令官に指揮させて集団運用する都合で、盤上のスタックは増えません。そのため、プレイアブルな範囲に収まっています。